1969年9月1日からその死の直前の2011年8月20日までリビア・アラブ共和国の最高指導者であった(国家元首も勤めた)“カダフィ大佐”(ムアンマル・アル=カッザーフィー)の、イデオロギーや政治的立場ではなく“人物像”をテーマとして行われた、アクション・ダイレクトによる即興演奏のライブも模様を収めた実況録音盤。
結果的に、アルバム制作を目的とした録音としては最後の音源となる。この演奏と録音後、アルバムのリリースを目にすることなく、1991年6月23日に高柳昌行は肝不全のため帰らぬ人となった。コンサートはこの録音のあとも1991年4月7日に「For JoJo」(名古屋・ヤマハ)、4月15日に幻のESP盤(75年録音の『April the cruellest month』)発売記念コンサート(新宿・安田生命ホール)、ラスト・ステージとなったアクション・ダイレクトのコンサート(名古屋・ギャラリーないとう)が行われたが、録音音源としては高柳の遺作となる。
ここまで発表した音源の中では“最も過激な内容”とも言われており、アクション・ダイレクト・フル・セットと呼ばれる大規模な演奏機材を駆使し、アクション・ダイレクトとしても最大音量かつ最高の「音が皮膚に突き刺さり痛みすら感じる迫力」の演奏が繰り広げられている。
ジム・オルークをして「動く天体、膨張するガス、爆発する星が濃厚に密集した星座」「自由に徘徊することを許された、無限に続く可能性と発見の回廊」と言わしめたアクション・ダイレクトの―高柳音楽のすべてが凝縮された最後にして最高の一枚を、ぜひお聴きいただきたい。
<曲目>
- variation I 26:05
- variation II 20:12
- variation III 6:19
高柳昌行 Masayuki Takayanagi(Action Direct Full Set*)
*ギター×3(自動演奏含む)、ボディギター、可変速モーター、テープレコーダー×4、リングモジュレーター、アナログエフェクター、メガフォンスピーカー、スチールリング、ほか
1990年12月16日/浜松・シティ8にて録音
録音機材:DAT
プロデュース:JINYA DISC
マスタリング:小嶋幸雄(ALM RECORD)
解説:ジム・オルーク(英文も掲載)、清水俊彦(詩)
(p)(c)2002 BIRD ELECTRON
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