ひとつ前の作品となる『ライブ・アット・タロー』の約半年後、同じくタロー(当時PIT INNと並び新宿の二大ジャズクラブのひとつであった)で録音された作品。高柳塾生の田辺義博がライブを録音し保管していたカセットテープから制作したが、カセットテープでの録音とは思えない、臨場感のある記録となっている。
演奏メンバーも『ライブ・アット・タロー』とまったく同じだし、曲目もリー・コニッツの楽曲が中心だったり『You’d be so nice to come home to』を再び採り上げているなど似ているが、一聴して半年前のタローでの演奏とは異なる、軽やかさや聴き手をくつろがせる味わいもふんだんに取り入れたとわかる演奏だ。1978年から始めた“セカンド・コンセプト”(独自の方法論によるフリージャズを“ファースト・コンセプト”と位置付け、クール・ジャズの演奏を“セカンド・コンセプト”と命名した)が、次作『COOL JOJO』(1979年)でひとつの完成へと到達する過程を、11曲/1時間45分に及ぶ音源でたっぷり堪能できる二枚組みアルバムである。
<曲目>
- DISC 1(B-19)
- Hi beck 13:21
- 317 East 32nd 12:26
- My new flame 7:05
- Froggy day 10:48
- Palo Alto 7:58
- DISC 2(B-20)
- Sound Lee 9:47
- You’d be so nice to come home to 13:31
- Autumn nocturn 6:15
- Kery’s trance 11:34
- Subconscious Lee 5:57
- These things 5:17
高柳昌行 Masayuki Takayanagi (G)
弘勢憲二 Kenji Hirose (El.P)
森泰人 Yasuhito Mori (B)
山崎泰弘 Yasuhiro Yamazaki (Ds)
1979年11月25日/新宿・ジャズクラブタローにて録音
録音機材:カセットテープレコーダー
プロデュース:JINYA DISC
レコーディング:Yasuhiro Tanabe
マスタリング:Yukio Kojima (ALM RECORDS)
デザイン:佐々木暁
解説(英訳付き):廣木 光一(ギタリスト)
(p)(c)2009 BIRD ELECTRON
<諸注意>
- 初回特典CDとして、本作のライブ演奏時に、アクシデントでベースの森泰人が不参加となった『Froggy Day』(JINYA JDR-004。ラジカセによる録音/モノラル)の録音音源を配布しました。
- 本作はレコードやCDなどの制作を目的として録音されたものではない音源を使用し、制作したものです。マスタリングの際に音源に支障のない範囲で、元々混入していたノイズを除去するよう努めておりますが、ノイズが演奏に大きくかぶっている場合は演奏をお聴きいただくことを優先し、演奏部分をカットしたりフェードアウトしたりせず、ノイズもそのまま残しております。特に本作では、DISC 2の最後部(『These things』のエンディング部分)に大きなノイズが聴こえますが、高柳昌行の活動の記録を遺すことを目的としたCD化である点を、ご諒解ください。ノイズの除去は、未来の技術と技術者に託したいと思います。
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