STATION’70

B-33

奇跡の発掘音源

2,500円(税込2,750円)

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2020年5月27日発売 

張り詰めた静寂と緊張・・・グラジュアリープロジェクション
恐ろしいまで密度の高いスピード感・・・マスプロジェクション
いずれも過去作品化された二人のDUOでは最高の演奏

曲名
  1. Thursday  /Gradually Projection (18:36)
  2. Jha     /Mass Projection (4:48)
NEW DIRECTION

高柳昌行 (el-g,g)
阿部薫  (as,Shakuhati,harmonica)

1970年録音

*本作は高柳自身が録音したオープンリールテープの音源を整音しました。

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 本作は、本レーベルより四月にリリースした『JAZZ BED』に続く、高柳昌行と阿部薫の共演(その活動期間は1970年5月から10月までのわずか半年)による音源の貴重な発掘である。高柳・阿部のデュオなので、高柳のニュー・ディレクションの活動としては第三期に当たる(『JAZZ BED』はドラムに山崎弘を加えたトリオでの演奏で、ニュー・ディレクションとしては第四期になる)。

 この第三期ニュー・ディレクションの演奏活動は、主に渋谷ステーション70で行われた。ステーション70での演奏は、記録に残っているのは5月7日、5月14日、5月28日、6月18日、7月9日の五回で(いずれも木曜日)、そのうち7月9日の演奏のライブ録音は『集団投射』『漸次投射』としてすでにCD化されている(そのほかに、6月28日の新宿厚生年金会館小ホールでのライブ録音が『解体的交感』としてLP・CD化されているのは周知のとおり)。

 本作の収録演奏のうちのひとつめは、CD『集団投射』『漸次投射』に収められた演奏の三週間前、6月18日の演奏で、高柳はスチール弦を張ったアコースティックギター(元々はガットギター)、阿部はアルトサックスのリードを取り付けた尺八とブルースハープを演奏している。演奏内容は高柳が提唱するグラジュアリー・プロジェクション(漸次投射)のアプローチによるものだが、すでにCD『漸次投射』を聴いたことがあるなら、使用楽器の違い以上に、同じ漸次投射のアプローチでもこんなに幅があるのか、と驚くものと思う。静寂さと緊張感が、CD『漸次投射』での演奏とはかなり異なる張り詰め方を示しているのである(あるいは阿部の演奏の“歌い方”も、CD『漸次投射』とはまったく別の表情を見せている)。

 とりわけ、阿部が尺八をブルースハープに持ち替えたあと演奏の終盤近くに至ってもたらされる、それまでの緊張状態をすっと解き放つような音は、高柳・阿部の演奏を理解する・しないを超えた領域での心地よささえ感じさせてくれる。高柳と阿部の表現の幅を知るという意味では、この演奏は必聴とも言えるだろう。

 本作の収録演奏のふたつめは、エレキ・ギターとアルト・サックスによるマス・プロジェクション(集団投射)的アプローチによるものだが、こちらは演奏日不詳。恐ろしいまでに高い密度とスピード感を味わされる演奏だが、なにか大きな達成を感じさせる演奏内容はもちろん、高柳がFMラジオをエアチェックしたテープの余り数分のところに録音されていたという事実も含めて考えると、奇跡の発掘と言わざるを得ないだろう。(2020/5 青木 修)

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